UnitBaseの感想 ~ 良い点・悪い点 ~
<おことわり> この記事はUnitBaseのバージョンが4.5.1.3の時点で書かれたものです。
今までExcelとAccessを使用してデータを管理していましたが、これらは簡単に複製できる反面、様々な場所(サーバ)にファイルが点在することになり、集中管理が困難になっていました。
これ以上、ExcelとAccessだけで管理することは限界と判断し、集中管理ができる様々なデータベース製品を探していたところ、ジャストシステム社のUnitBase(ユニットベース)にたどり着きました。
それからUnitBaseを導入し1年半以上が経過しましたが、いまでは業務に欠くことができない重要なツールになっています。
UnitBaseの特徴(良い点)
初心者でも操作が簡単
運用に関係する特殊な操作を除き、データベースに関係するほんとんどの操作は、Webブラウザー上で行います。
Accessに比べ操作がシンプルで初心者でも安心して操作可能です。
あらかじめ用意されている項目の種類を選び、好きな位置にドラッグ操作で配置していくだけでデータベースがあっという間に作成できます。
このとき、入力・編集時のユーザーインターフェイスも同時に作成されます。
もちろん、項目を後から追加したり、あるいは削除したり、並び替えも可能になっています。
私の場合ですが、マスタ情報から選択入力させたり、複数種類の帳票を作成したりと、ある程度複雑な条件がありましたが、1週間程度でデータベースを作ることができました。
利用者のマニュアルを作成したり、運用設計を考えたりしても、準備期間が1ヶ月もあれば運用を始めることは可能です。
使用できる項目の種類が豊富
データベースに用意されている項目は大まかに分類すると3種類あります。
- 文字列や数値など、ユーザーが値を直接入力できる基本グループ
- ほかのフィールドの値を参照したり、計算したりするなどして、自動的に値を表示・設定する自動入力グループ
- 項目を明細の項目として扱ったり、項目をグループ化して表示したりするためのユーティリティグループ
分類 | 項目の種類 |
---|---|
基本 | 文字列(1行) |
文字列(複数行) | |
数値 | |
メール | |
URL | |
ドロップダウン | |
選択リスト | |
チェックボックス | |
日付時刻 | |
時間量 | |
ファイル | |
画像 | |
ユーザー | |
自動入力 | 数値計算 |
日時計算 | |
自動採番 | |
年齢計算 | |
ルックアップキー | |
ルックアップ | |
データベースリンク | |
ユーティリティ | 明細 |
見出し | |
リレーションパネル |
レコードの検索が簡単に行える
簡易検索では、文字列を指定してすばやくデータベース内の該当データを検索できます。
絞り込み検索も可能で、複数の条件をANDやORで組み合わせたり、日付の範囲指定など複雑な検索条件の設定が可能になっています。
毎回条件を指定しなくとも、この設定した条件をフィルターとして保存することもでき、いつでも利用することが可能です。
帳票を簡単に作成できる
帳票出力用のテンプレートファイルを用意します。
普段使い慣れたExcelですので、Accessと比べると作成方法が非常に簡単です。
テンプレートファイルのデータを表示したいセルにキーワードを埋め込むことで、
出力するときにデータベースのデータを反映してくれます。
1つのレコードを出力する場合(単票形式)も、複数のレコードを出力する場合(レポート形式)のどちらにも対応しています。
権限を設定してアクセス管理を行える
Active Directoryと連携することで、シングルサインオンで自動ログインが可能です。
私もシングルサインオンを採用しています。だって楽ですもん。
共有で利用することが前提のデータベースにおいて、アクセス権の設定は必須です。
権限の設定も個人単位、グループ単位どちらでも可能で、さらにデータベースの部品である、画面レイアウト、フィルター、クロス集計ごとに細かく設定できます。
Ver.4.5.1.3からは、印刷、エクスポート、レポート機能の使用可否がデータベース単位で制御できるようになりました。
Ver.4.5.3.0からは、画面レイアウト毎に、編集できる項目を制限できるようになりました。
データベースが高圧縮のため、容量がかさばらない
私のところでは、数MB(メガバイト)もするファイルを毎日気にせずどかどかアップロードしていますが、データベースの容量は全然増えません。
どのような技術が使われているのか素人なのでわかりませんが、1年半以上の使用で、いまだ使用量が1GB(ギガバイト)ちょっとです(笑)
素晴らしい!おかげでバックアップを普通よりも多めの世代管理が可能です。
管理者機能が便利
- 標準でバックアップ機能を備えていて、保存数を指定して世代管理が可能です。
- インポート、エクスポート処理を自動化(バッチ化)することも可能で、私は基幹システムから出力されたマスタ情報を、夜間に自動的にインポート処理しています。
同時に、エクスポートして他のシステムにデータベースの情報を渡すことも行っています。 - 管理者がデータベースを編集(項目の変更等)する場合は、メンテナンスモード(Ver.4.5.1.3からの機能)を有効にすると、ログイン中の一般ユーザーを強制ログオフすることができます。
決裁機能(ワークフロー)が非常に便利
- 1申請ルートにつき、決裁者は最大20名登録可能
- 申請画面の入力内容に応じて、申請ルートを自動提案させることも可能。
- 1データベースあたり、決裁ルートは最大20件登録可能。
登録数に制限はあるが、個人名ではなく役職などでルート作成できるので問題ない。 - 決裁完了時点で、レコードを別のデータベースへコピーすることができる。
コピーするフィールドも指定可能。 - 決裁開始、決裁完了時に通知する宛先やメール本分を変えることができる。
- 決裁中や決裁完了後のレコードを保護(編集不可)にすることが可能。
その他
- メール通知(レコード追加・変更・日時指定など)
- レイアウトをカレンダー表示にして予定管理可能
- 社外からメールでレコードを登録可能
- タスクスケジューラと組み合わせることで、データの取込、出力を自動化することも可能。
他にも紹介しきれない多くの機能がありますが、
詳しく知りたい場合は、以下の公式サイトからカタログを取り寄せてみてください。
UnitBaseの残念なところ(悪い点)
利用していていくつか気になった点があるので紹介したいと思います。
- メール通知の設定で不具合(アドレスが間違っている)などがあってもエラーにならないため気づかない。
- 帳票出力機能で少し難しいこと(たとえばデータベースの項目に何も入っていなかったら別の文字に置き換えて表示するとか)をやろうとすると結局VBAを頼るしかない。
- レコードのユニークキーに複合キーは指定できない。
最大1000万レコードまでしか登録できない(明細含む)ため、大規模データベース向けではないシステム全体では、SSD、HDD、メモリ容量に応じて最大8,000万レコードまで登録可能になりました。mood
ただし、1データベース最大は200万件(明細含む)、決裁データベースは30万件まで
まとめ
UnitBaseは悪い点よりも良い点の方が圧倒的に多いので、導入してよかったと私は思います。
AccessやASP.netで今頃作成していたら間違いなく工数は倍じゃすまなかっただろうなと。。
特にワークフローがあっという間に作成できるのは感動、ペーパレス化が進んでいない所はいいかもしれません。
保守サポートは賛否両論ありますが、私のところでは入っています。
運用が安定してきたのでテクニカルサポートに問い合わせる機会はほとんどありませんが、
年に数回あるバージョンアップでは、不具合の修正のほかに、毎回必ず新機能が盛り込まれます。
新機能を使うたびに保守サポートに入っていてよかったと、毎回新機能が出るのが待ち遠しくなっています(笑)
バージョンアップの履歴
- 2016/03/14 バージョンアップしました(4.5.3.0)
気になった追加機能 | 説明 |
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変更履歴の保存 | レコード単位でデータの変更履歴を表示・確認できるようになりました。 これで、いつ誰がどのフィールドをどのように編集したのかわかります。また変更前の情報も保存されます。最大100世代保存可能。よく明細レコードを誰が消去したのか犯人探しをしていましたが、これでその手間も省けます。 |
注目Unitbaseがメジャーバージョンアップします!