普段はクラウド型メールのExchange Onlineを使っている私。
使い始めて3年、ほぼ毎日使用する必須のツールです。
- 50GBの大容量メールボックス
- 使い慣れたOutlookのサポート
- Webからのアクセスが可能
- iOS/Android用のOutlookアプリを利用可能
- 予定表や連絡先の共有
- マルウェアとスパム対策がされている
- 無制限の保存スペース(※上位プランのみ)
- Powershellを使ってバッチ処理で管理ができる
- 99.9% の稼働率保証と返金制度のある SLA
特徴を説明するとざっとこのような感じになります。Microsoftのクラウド製品だけあって、ビジネス向けによく設計されています。
ただ、時にはクラウドがデメリットとなりうることも・・
障害発生時、それが何によって起こったトラブルなのか、問題点が把握しにくいこと。
例えばOutlookが繋がりにくい場合、それがMicrosoftの問題なのか、自分のネットワークやパソコンに問題があるのか特定に時間がかかってしまいます。
今回、Exchange Onlineで繋がりにくい症状が発生した場合に使えるトラブルシューティングをご紹介したいと思います。
問題切り分けの手順として、まずはOffice356の管理画面から障害が発生していないか確認することが第一!
障害が発生していなければ、以下で紹介する手順を試してください。
OutlookでExchange Onlineに繋がりにくい状況のトラブルシューティング
1.Windows Updateの実施
OutlookおよびOSが最新の状態になっているか確認します。
1-1.Windows Update利用手順
自動更新が実施可能であれば、下記のURLを参照して更新プログラムの適用を行います。
1-2.Outlook更新プログラム
Windows Updateでの更新プログラムの適用ができない環境の場合、下記のURLをご参考に、Outlookの個別の更新プログラムを適用します。
1-3.Outlook 2013 ProPlus および Outlook 2016 ProPlus をクイック実行バージョンで利用している場合
下記の手順で更新プログラムを適用します。
- Outlook クライアントを起動します。
- [ファイル] をクリックします。
- [Office アカウント] をクリックします。
- [Office 更新プログラム] の [更新オプション] をクリックします。
- [今すぐ更新] が表示されている場合は [今すぐ更新] をクリックし、ポップアップ画面が表示される場合は Outlook を閉じた後、[再試行] をクリックします。ポップアップ画面が表示されない場合は、最新の更新プログラムが適用されている状況です。
2.ネットワークのIPv6設定を無効化
Windowsのネットワーク設定として、IPv6が有効化されている場合に、通信経路が想定されたフローとならず、繋がりにくい状況が発生する場合があります。
以下の手順にてIPv6を無効化したあと、事象の改善が見られるか確認します。
- [スタート]ボタン - [コントロールパネル] より [ネットワークと共有センター] - [アダプターの設定変更]をクリックします。
- 接続中のネットワークの[プロパティ]画面を開きます。
- インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)]のチェックボックスを外します。
- [OK]をクリックします。
3.インターネットオプション設定変更
プロキシサーバーの設定を変更します。
- Internet Explorerを起動します。
- 画面右上の歯車アイコンより[インターネットオプション]をクリックします。
- [インターネットオプション]をクリックします。
- [接続]タブより、[ローカルエリアネットワーク(LAN)の設定]から[LANの設定]をクリックします。
- [プロキシサーバー]の[LANにプロキシサーバーを使用する]をチェックします。
- [ローカルアドレスにはプロキシサーバーは使用しない]をチェックします。
- [OK]をクリックします。
- [インターネットオプション]の画面が表示されますので[OK]をクリックします。
- Internet Explorerを再起動します。
※設定を変更してもなお改善しない場合は、[ローカルアドレスにはプロキシサーバーは使用しない]のチェックを戻します。
4.Office365サーバーURL/IPレンジ
ファイアウォール、プロキシサーバーを利用している場合、Office365で利用するURLおよびIPアドレスの範囲を例外設定に追加する必要があります。
office365で利用するURLおよびIPアドレスの範囲については、下記のサイトを参照してください。
Office 365 URLs and IP address ranges
5.Office365 Support and Recovery Assistantによるトラブルシューティング
Office365 Support and Recovery Assistantツールは、Outlookクライアントにてプロファイルが正しく作成できない場合の問題の切り分けやトラブルシューティングを提供します。
5-1.ツールのインストール
- 下記のサイトにアクセスし、[今すぐダウンロード]をクリックします。
- Office365にサインインし、画面右上の歯車マーク>[Office365の設定]の順でクリックします。
- [設定]のタブより、[ソフトウェアをインストールします]をクリックします。
- 画面左の[ツールおよびアドイン]を選択、[Office365サポート/回復アシスタント]をインストールします。
- インターネットエクスプローラーの画面下部に表示される[実行]をクリックします。
- .Net Framework4.5がインストールされていない環境でツールを実行すると、[Windowsの機能]画面が開き、.Net Framework4.5のインストールを求められます。画面の指示に従って、.Net Framework4.5をインストールします。
- [アプリケーションのインストール]画面が表示されたら、[インストール]をクリックします。
- インストールが完了すると、[Microsoft Office365サポート/回復アシスタントのマイクロソフトソフトウェアライセンス条項]画面が表示されます。
- 内容に問題がなければ、画面下部の[同意する]をクリックします。
Microsoft Office 365 サポート/回復アシスタントで Outlook と Office 365 の問題を解決する
※上記URLが利用できない場合、続けて下記手順にてインストールを試します。
5-2.ツールの利用手順
- アプリケーションを起動し、[Outlook]を選択し、[次へ]をクリックします。
- [Outlookで何度も[接続中...]または[切断]と表示されます。]を選択し、[次へ]をクリックします。
- 問題が発生しているパソコンで実行していることを確認して、[はい]を選択し、[次へ]をクリックします。
- 該当欄に以下を入力し、[次へ]をクリックします。
メールアドレス:事象が発生しえいるユーザーのID
パスワード/アプリパスワード:事象が発生しているユーザーのパスワード。 - ツールが問題の切り分けを実施します。問題が発見された場合には、エラー画面が表示されますので、エラーの内容を確認します。
- ツールを実行して問題がない場合には、[Everything looks great so far from our tests!]と表示されるので[Yes]をクリックします。
- ご利用の環境において効果のあると考えられる手順が表示されます(Clear saved Outlook credentialsなど)。[Perform]をクリックすると、実行されます。
- [Did we fix your Outlook problem?]と表示された画面で事象の改善状況を選択します。改善されない場合は[No]を選択し、項番7以降の手順を繰り返します。
- [We're sorry we didn't help you]と表示された際は、[Skip]-[次へ]をクリックします。
- このツールを使用した際のフィードバックを入力する画面が表示されます。
- 項目を選択して[Submit]をクリックすることでツールが終了します。
5-3.参考情報
ツールの実行手順についてはは、以下のサイトに画像付きの案内があります。
Office 365 Support and Recovery Assistant のご紹介
それでも解決できない場合
Exchange Remote Connectivity Analyzerによる接続テストを実施し、結果をMicrosoftに提供します。
解析結果を待ちましょう!
Exchange Remote Connectivity Analyzerの使い方は、機会があれば記事にしたいと思います。