日本に住んでいるとインフラ障害が原因でインターネット接続が切断されることは滅多にありませんが、アジア諸国ではたびたび起こるそうです。
インドに住む知り合いから聞いた話では、停電などで1日のうち何度もインターネットが切断されてしまい、長い時には30分以上使えないこともザラ。その場所は都会からは少し離れた工場団地。日本では考えられませんが、ラスト数マイルが無線。都会から少し離れたら普通のことらしいです。
中国は共産党大会の期間、対外的なインターネット接続が大幅に制限されてしまい、国外のサイトに繋がりにくくなります。
物理的な要因だけでなく、政治的な要因も影響するということがあるということ。物理事情なら将来改善する可能性はあるでしょうが、政治的となれば話は別。やっかいです。
インターネット回線を使ってWeb会議や電話会議(VoIP)をする機会も増えてきましたので、相手国がアジアだった場合のインターネット回線の事情が気になり調べてみました。
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インターネット回線の品質が悪いアジア諸国の例
品質ごとに分類してみると
大手通信会社の人に話を聞いてみたところ、品質を高・中・低に分類した場合、アジア主要各国の位置づけは下記のようになるそうです。この数値はおおよその目安ですのであしからず。
高品質の国
- 日本
平均すると、1ヵ月の故障時間は1時間以内
中品質の国
- 中国
- フィリピン
- マレーシア
平均すると、1ヵ月の故障時間は1~2時間以内
低品質の国
- インド
- インドネシア
- タイ
- ベトナム
平均すると、1ヵ月の故障時間は2~4時間以内
品質が低い原因
設備の老朽化
中国、インド、ベトナム、フィリピン、インドネシアにこの傾向が多い。
電話設備が普通に雨ざらしになっていて銅線が劣化したりする。
MDFも屋外に置いてあることがザラにある。
MDF(主配線盤)は、電話設備のひとつ。Main Distributing Frame の略で、日本語では通常「主配線盤」という。
オフィスビルや大きな集合住宅には、大量の電話回線が引き込まれている。特に大きなビルだと、何千回線という数になることもある。それだけの電話線を個々に引き込んだら収集がつかない。
そのため、ビルやマンションの1階や入口周辺に、たくさんの電話回線や通信回線をまとめて管理できる集線盤を設置している。これが、MDF と呼ばれる設備。電話局側も同様に MDF を置いて、まとめて配線できるようにしている。
発展途上国では、いまだにデジタル無線網が現役で使われていたりする。
MDF盤内の配線がゴチャゴチャしていて(綺麗に配線されていない)、メンテナンスも容易ではない場合が多い。
意外と無線網が使われているケースって多いんですね。
電力が不安定
中国、インド、フィリピンが特にその傾向にある。
電圧の不安定に起因して機器障害が発生したり、停電による通信機器のダウンにつながります。
最寄局には、無停電電源装置(UPS)や予備電源などの停電対策が用意されていないことも多い。
政府による規制
ベトナム、タイなどは通信市場自体が解放されていない。
中国、インドネシアは通信市場が開放されているが、、実際は少数の会社で独占されている。
競争が起きないので、サービス品質が向上しにくい体質があります。
中国では、共産党大会や全国人民代表会議の期間中、対外的な接続が大幅に制限されることが珍しくありません。
また、こういった大規模なイベントでは、封網と呼ばれる工事禁止命令が出され、ネットワーク事業者が工事やバージョンアップを行えなくなります。
封網の本来の目的は、予期せぬトラブルを起こさせないようにして品質を維持するためだとか。
まとめ
日本のローカル通信品質と比べるとアジア諸国は落ちるようです。
インフラ面もそうですが、政治的な影響を受けることもしばしば。
アジア諸国とWeb会議やVoIPをしようと思えば、リスクはある程度覚悟しておかなくてはいけません。
もしアジア諸国とWeb会議をするのであれば、Cisco WebExがおすすめです。
公式https://www.webex.co.jp/
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【WebEx Vs Vidyo】中国相手に本当に使えるWeb会議はどっち?
それにしても、日本は恵まれているんだなと、切断しないのがあたりまえになっていることに感謝しなければならないと思いました。