いつでもどこからでも簡単でもに繋がる。中国でも?
以前は専用機器を使うテレビ会議システムが全盛でしたが、ここ数年でトレンドは様変わり。
クラウドのおかげで、大掛かりな準備をしなくとも、最小の設備と手順で海外拠点と会議を行うことができ、出張コスト、削減やコミュニケーション円滑化など、業務の効率化が図れそうです。
IT関連の「働き方改革セミナー」に参加した際、クラウド型のWeb会議サービスが紹介がされているのを見て、結構面白そうな使い方ができそうと思いました。
ただ、いきなり導入するのもアレなんで・・・中国相手に有名な2つのサービスをトライアルしてみて、どちらが使えそうなのか、品質や機能について確認してみました。
中国相手にWeb会議の品質を試してみた
トライアルをしたのは下記のサービスで、いずれも世界的に有名とのこと。
Cisco WebEx(ウェブエックスと読みます)
WebExの公式サイト
Vidyo Neo(ヴィディオと読みます)
Vidyoの公式サイト
クラウド型Web会議に必要なモノ
ノートパソコン、タブレット、スマホなど、モバイル端末から参加できるため、インターネット回線さえあればすぐに始められます。
デスクトップパソコンで行う場合は、Webカメラ、マイクなどを用意する必要があります。
複数人が集まる会議室では、性能の良いスピーカーマイクや広角カメラ、大画面のモニターやプロジェクタを使った方がスムーズな会議進行が行えそう。
実際に使っている人に聞いた話では、広角カメラはLogicool(ロジクール)、スピーカーフォンはYAMAHA(ヤマハ)がおすすめとのこと。
最近はモニターではなく、電子黒板と組み合わせて使っている企業も増えてきたとか。
インタラクティブ ホワイトボード(電子黒板)- RICOH
https://www.ricoh.co.jp/iwb/
電子黒板 BIG PAD - SHARP
http://www.sharp.co.jp/business/bigpad/
通信品質について
WebExもVidyoともに、UDPポートの使用を推奨しています。
帯域が一時的に確保できなかった場合、TCPは再送処理を試みるため画像や音声が中断しやすく、逆にUDPの方は再送処理がなく品質が安定するらしいのです。
今回に限ってはUDPを使用していません。設定変更が面倒だったため、TCP443を使いました。
ご参考までに、WebExで解放する必要のあるUDPポートが↓になります。
WebEx:https://collaborationhelp.cisco.com/article/ja-jp/WBX264
テストは下記の2パターンでテストしました。
中国 ⇔ 日本
日本 ⇔ 日本
この結果はあくまでも目安としてお考え下さい。
たまたま僕の環境ではこのようになった、というだけですので。
通信回線、使用する機器、場所によって結果は変わる可能性があります。
結果↓
【中国 ⇔ 日本】
音声: Vidyo < WebEx
画像: Vidyo < WebEx
【日本 ⇔ 日本】
音声: Vidyo < WebEx
画像: Vidyo < WebEx
TCP443のみを使用した場合、圧倒的にWebExの方が品質が良いです。
さすが世界のCiscoといったところでしょうか。
WebExは、たまに画像が劣化したり、音声が小さくなったりはしますが、通信が途切れたりフリーズすることはほとんどありませんでした。
逆にVidyoの方は、一度画像がフリーズしてしまうと、数分間はそのままの状態となり、会議が中断してしまいます。これは致命的な感じ。
機能について
機能についても、表にして比較してみます。
WebEx | Vidyo | |
---|---|---|
ビデオのオン/オフ/ビデオ画面の拡大 | ○ | ○ |
音声のミュート | ○ | ○ |
チャット、メモ機能 | ○ | ○ |
ホワイトボード機能 | ○ | × |
ファイル共有をする/ファイルに注釈をつける | ○ | △ |
アプリケーション共有をする | ○ | × |
コントロール権を譲渡する | ○ | ○ |
画面共有をする | ○ | ○ |
会議を録画する | ○ | × |
アンケート機能 | ○ | × |
機能の多さではWebExですが、逆に多すぎて画面がとっつきにくい印象になっています。
WebExは機能が多く玄人向き、Vidyoはシンプルで素人にも使いやすいといったイメージ。
どちらのサービスも音声を発した人(発言者)がメイン画面に表示される仕様のため、色んな人が交互に発言すると画面が頻繁に切り替わり疲れます。
しかし、WebExの場合はメイン画面を誰か一人に固定することもできるので便利。残念ながらVidyoの場合は発言者をメイン画面に固定できません。
それに、WebExには面白い機能がついていますね。
例えば、アンケート機能は、Web型のセミナーを開催した時に、出席者の感想や意見のとりまとめたりに便利です。
アプリケーション共有は、同じファイルを複数ユーザで書き込むことができます(同時ではないですが)。
会議を録音することもできますが・・・あとで聞いたらノイズがすごいことになっていました(笑)
価格について
こちらで価格を掲載するのは控えますが、正直、かなりお安いと思いました。
Web会議に置き換えることで海外出張をする回数が減ると考えたら、あっという間に投資分は回収できそうです。
そういえば、WebExは製品、ライセンス、料金体系がすべてガラッと変わったようですね。
Sparkに統合されたようです。
https://www.cisco.com/c/m/ja_jp/solutions/collaboration/cisco-spark/index.html
海外企業のサービスのため、統廃合や料金体系が変更になることは頻繁にありますから、その点はしょうがないでしょう。
最後に
中国相手にWeb会議をする場合、WebExの方が品質的におすすめ。
ただし、結果はあくまでも僕の環境での話です。すべての環境において当てはまるわけではございませんのでご注意を!
また、政治情勢によって対外的な通信をグレートファイアウォールで制限するといったことがあるらしいので、今は良くても品質が急に劣化するようなこともあります、注意が必要でしょう。